アンドレイ・タルコフスキー
一時期は思想の全てだった
敬虔なクリスチャンであり
自身の日記を殉教録としてまとめる程のロマンティストでありながら
憎むべき相手に対しどんな仕打ちをしても心が痛むことは無いと言い放った
激しく
貧しく
7本の映画を撮った
そのカメラフレームに納まるものは5p単位で場所を決定する完璧主義の独裁者
その映像は絵画の連続であり
その長回しは劇のようで絵巻物のようでもある
1997 タルコフスキーの日記をたよりにイタリアへ渡った
当時はインターネットも無く
日記と地図と現地の情報でその痕跡を求めた
タルコフスキーが亡命したイタリアへ
そして「ノスタルジア」の舞台となったバーニョヴィニョーニへ
タルコフスキーの泊まったホテルはほどんどが5つ星で、見るだけに留まった
バーニョヴィニョーニは車が無いとダメだと聞いた
ローマ郊外の家も近くの町を歩き回るに留まった
北から南
ただその日記をなぞった
3ヶ月の旅の終わりに寄ったアマルフィ
古い寺院
人も居ない、廃寺なのだろう
しかし半ば朽ちた寺院に射す光はタルコフスキーの光に似ていた
古い回廊を抜けると、小さな中庭があり
吹き抜けから射す光に照らされていた
その中央には枯れたあじさい
美しい光、、
その瞬間にタルコフスキーの日記の一節が記憶から蘇る
「アマルフィ、あじさいのある中庭」
タルコフスキーがアマルフィの逗留で書き残したたった一文
場所も書いていないその一文は
間違いなくこのあじさいを示していた
同じあじさいを見ている
喜びに全身が震えた
そしてつながれたと感じた
その花を1つだけもらい
イタリアの記録に挟むことにした
タルコフスキーのことを長らく忘れていた
というより
その先を探していた
本当に?
もう一度観たいと思った
きっと何も観ていなかったと思うだろう
ひょんなきっかけで気付けて良かった、感謝しています。
もう一度観ることにします。
Stalker-Final Scene